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少女と少年と大人のための漫画読本 2007-2008 by 野中モモさん [comic]

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少女と少年と大人のための漫画読本 2007-2008
野中モモ/Lilmag/2008年5月18日/A5・76頁

当店の出版部門Lilmag Publishing(リルマグ出版部)第一弾リリース作品にしてシリーズ「リルマグ漫画文庫」その1。 女性の声多め、70年代生まれの声多めで、順位はつけずに2007年に面白かった作品と08年の注目作品を徹底紹介する漫画ガイド本。

内容は以下の三部構成。
・'07年の新刊漫画レビュー60本(初出は女性誌)
・22人の漫画目利きに聞く'07年の漫画ベスト10+'08年の注目作品
・雑誌には載せられなかった漫画の話

アンケート回答者:
あべ++、唐木元、室山琴音、福田里香、炎、川原和子、速水筒、来田涼子、木村カナ、
古澤健、宇波拓、泉智也、吉田アミ、中村賢治、高柳昌之a.k.a.あらいぐまMC、
sayuk、tigerbutter、キツカワトモ、ワダヒトミ、加藤亮太、中山亜弓、夕タン

アンケートに参加させていただきました。

『少女と少年と大人のための漫画読本 2007-2008』の詳細はこちらから >>

第16回西荻ブックマーク ::: 奇想漫画家 駕籠真太郎的密談 [comic]

奇想漫画家 駕籠真太郎的密談
駕籠真太郎トークイベント

日時:2007年10月14日(日)
16:30開場/17:00開始
会場:今野スタジオ『MARE(マーレ)』⇒地図
1500円・定員25名・要予約
※予約後にキャンセルの場合はお早めにご連絡願います。
主催:西荻ブックマーク実行委員会 http://neko2.net/nbm/
予約→西荻ブックマーク実行委員会(予約専用フォーム or 西荻コム fax:03-6762-9100)

飛び出す妄想―駕籠真太郎因数分解

飛び出す妄想―駕籠真太郎因数分解

  • 作者: 駕籠 真太郎
  • 出版社/メーカー: 久保書店
  • 発売日: 2005/02
  • メディア: 単行本


海獣の子供 [comic]

海獣の子供 1 (1) (IKKI COMICS)

海獣の子供 1 (1) (IKKI COMICS)

  • 作者: 五十嵐 大介
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2007/07/30
  • メディア: コミック

海獣の子供 2 (2) (IKKI COMICS)

海獣の子供 2 (2) (IKKI COMICS)

  • 作者: 五十嵐 大介
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2007/07/30
  • メディア: コミック

五十嵐大介の初の長篇。
物語はまだ始まったばかり。それでもすでに圧倒されてしまった。絵についても物語についても。
『魔女』に収録されていた短篇群においても、短篇ごとにそれぞれの奥行きがあって、その背後にある広大で深遠な世界が感じ取れたのではあるが、『海獣の子供』では、短篇の枠内では描き切れなかった巨大な神秘が、全開で展開されていきそうな予感。
海は広いな大きいな。ぞくぞくしてざわざわするよ。
続きが早く読みたい。

五十嵐大介周辺日誌(http://d.hatena.ne.jp/iga-ren/)からは、担当編集者さんたちの愛と熱意が、ひしひしと伝わってきます。素晴らしい。

カボチャの冒険 [comic]

カボチャの冒険 (バンブー・コミックス)

カボチャの冒険 (バンブー・コミックス)

  • 作者: 五十嵐 大介
  • 出版社/メーカー: 竹書房
  • 発売日: 2007/07/30
  • メディア: コミック

猫を描くのも上手い!
というか、絵の中に愛が満ち溢れていて、よい。とてもよい。
カボチャかわいいよカボチャ
猫の名前がカボチャ! カボチャという名の猫!

キャンディーの色は赤。 [comic]

キャンディーの色は赤。 (Feelコミックス)

キャンディーの色は赤。 (Feelコミックス)

  • 作者: 魚喃 キリコ
  • 出版社/メーカー: 祥伝社
  • 発売日: 2007/07/25
  • メディア: コミック

表紙の赤い滴りからすぐさま血を連想した。
カバーを外すと下北沢の景色のイラストと短いテキスト。大好きな下北沢と結婚した「あたし」。でも、この下北沢の風景は、今もあるのだろうか。しばらく行っていないから知らない。
やるせない痛みと悲しみと、そして、そこからの回復と。その切なさは、今まで通りの、魚喃キリコらしい、のだけれども。
お互いに年を取ったねえ、なんて、ふと、感じたり。

家族のそれから [comic]

家族のそれから

家族のそれから

  • 作者: ひぐち アサ
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2001/06
  • メディア: コミック

『おおきく振りかぶって』→『ヤサシイワタシ』→『家族のそれから』と、ひぐちアサの単行本を、過去へと遡って読んできたつもりだったのが、『家族のそれから』に収録されている投稿作「ゆくところ」を読んでびっくりした。いつかどこかで読んだことあるよこれ、と突然に記憶が甦ったのだった。たぶん『アフタヌーン』に掲載されたときにたまたま読んでいたのだと思う。そしてそれっきりだった。作者名を記憶に留めることもなく、ただ、いくつかのコマとセリフだけを、ぼんやりと覚えていたのだった。「おやこのかえるだよ」とか……。
それはともかく、『ヤサシイワタシ』同様、『家族のそれから』も、読んでから胸が痛くなった。
「家族のそれから」。兄妹と若すぎる義父を家族として繋ぐべき母は死んでしまった。それでも一つ屋根の下で暮らし続けている彼らの葛藤。母の死と不在を彼らは乗り越えることができるのか?
「ゆくところ」。激しい屈折を抱えたひとりぼっちの男子高校生。夜の街を彷徨う彼はゲイで、年上の男と付き合っている。そんな彼が同級生の男の子に恋をしてしまった。好きだから近付きたいのに、不器用にしか近付けない。傷付けることしかできない。片思いの混乱が、自分自身についての混乱になり、やがては錯乱へと変わる。
こういう痛々しい作品群を描いていた作者が、あの『おおきく振りかぶって』を今は描いている、というのが、なんだか不思議なことのような気がしてしまうのだけれど。うーむ。

夏目友人帳 [comic]

夏目友人帳 1 (1)

夏目友人帳 1 (1)

  • 作者: 緑川 ゆき
  • 出版社/メーカー: 白泉社
  • 発売日: 2005/10/05
  • メディア: コミック

妖怪マニアではないんだけれど、妖怪がけっこう好きです。
本来は人には見えないはずのものが見えてしまう、強い妖力を持った少年と彼の守護神が怪異に遭遇する、という基本設定、一話完結のスタイルなど、今市子『百鬼夜行抄』と、かぶりまくりなんですが……。当然、読んでいるだろうし、意識もしているはず。でも、同じように人外の物の怪を描いていても、世界観や雰囲気は、まったく異質。『百鬼夜行抄』の美しくも冷ややかな残酷さと比べると、『夏目友人帳』は、ほのぼのというか、穏健というか。絵柄も含めた作者の資質の違いがいちばん大きいんだろうけれど、ホラーコミック誌(ネムキ)と一般少女コミック誌(LaLa)という掲載媒体の違いも感じる。読者の評価も、各自の好みによって、くっきりと分かれそうな気がする。『百鬼夜行抄』が好きな読者にとっては『夏目友人帳』は「ぬるい」だろうし、『夏目友人帳』が好きな読者には『百鬼夜行抄』は「きつい」んじゃないかなあって。

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オトメン(乙男) [comic]

オトメン(乙男) 1 (1)

オトメン(乙男) 1 (1)

  • 作者: 菅野 文
  • 出版社/メーカー: 白泉社
  • 発売日: 2007/01/19
  • メディア: コミック

オトメン(乙男) 2 (2)

オトメン(乙男) 2 (2)

  • 作者: 菅野 文
  • 出版社/メーカー: 白泉社
  • 発売日: 2007/05/18
  • メディア: コミック


今風の絵なのに昔の少女漫画の懐かしラブコメの味わい。その意外性からして笑えるのかも。主人公の飛鳥は、文武両道のクールビューティ男子なのに、乙女ちっくな趣味が大好きで、乙女ちっくな純愛に憧れ、乙女ちっくな少女漫画を読んで共感してしまう。そんな可愛らしい乙女心の持ち主、すなわち、「オトメン(乙男)」なのであった。しかし、「オトメン」という「本当の自分」を隠さなければならない、やむをえない事情が飛鳥にはあった。「男らしく」な外面と「オトメン」な内面のギャップに悩んでいた飛鳥に、転校生の女の子への恋心が芽生えてしまって、さあ、大変。乙女心がときめくたびに悶絶しまくり。これなんてジェンダー・トラブル? 設定の無理を押し切る展開のテンポが小気味良い。そのあたりが昔の少女漫画っぽい。でも、ネタでベタベタではなくて、リアル女子は少女漫画なんか読みませんよ、むしろもはや現実的過ぎる!という現在の視点も、ちゃんと入っているので、物語が見事に攪乱されてしまうのである。うーん、これ、面白いや。続刊が楽しみ。

アンダーカレント [comic]

アンダーカレント  アフタヌーンKCDX

アンダーカレント アフタヌーンKCDX

  • 作者: 豊田 徹也
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2005/11/22
  • メディア: コミック





ある日突然に夫が失踪してしまったヒロイン。それでも彼女は気丈に家業の銭湯の営業を再開した。何も言わずに姿を消した夫を案じながら。彼女には、彼が何故いなくなってしまったのかが、どうしてもわからない。そんな彼女の前に、銭湯の臨時の手伝いとして、ひとりの男が現れる。何やら過去に訳あり様子の男は、ヒロインの日常にいつのまにかするりと溶け込んだ。その一方で、友人の伝手で知り合った探偵に、ヒロインは夫探しを依頼する。変わり者らしき探偵がヒロインに不意に投げかける問い。
「人をわかるって どういうこと ですか?」……
『アンダーカレント』はこの問いの謎をめぐる物語である。
全編に満ちている不思議な質感。水の、空気の、記憶の。曖昧に揺らいで。セリフやコマの狭間の、独特の「間」のとり方が、とても味わい深かった。その時間と空間の感覚が何でかやけに映画っぽいのだ。
何気ないようでいてありふれているようでいて、しかし、非凡で貴重に、せつなくてうつくしい、佳作であった。


not simple [comic]

not simple

not simple

  • 作者: オノ ナツメ
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2006/10/30
  • メディア: コミック

すべてにうちのめされた。
絵が素晴らしい。線が凄い。話が深い。
主人公は、まるっきりフィクションのような、悲惨すぎる人生を、あまりにも純真に、どこまでも淡々と生きてしまった男である。彼と出会い、彼を見届けた男は、その生涯を一冊の小説にする。その小説のタイトルが"not simple"。物語はそこから始められる。すべては過去として描かれる。
一見、シンプルで洒脱な絵が、このシンプルでないとても物悲しい物語を、深刻でなく見せる。それが救いであると同時に、ひどく悲しい。不器用で単純な笑顔からは窺い知れぬ奥底。いや、そこには何もないのかもしれない。そこはやっぱり空っぽなのかもしれない。だからこそとても悲しくなる。
こういう作品がある。こんなマンガがある。だから読むという行為がどうしてもやめられないのだと思う。